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療育での呼吸法(瞑想)

こんにちは! キッズハウスにこにこです。
今回は、にこにこで取り組んでいる呼吸法についてお伝えします。
療育での呼吸法とは?
就学前の年長児クラスでは、運動の後「聞くトレーニング」というプログラムの中で行っています。
マットの上で1分間横になり全身の力を抜く、という活動です。この活動は、感覚を澄まして、話(指示)を聞くための体の準備をする、という位置づけです。
1分経ったあと「どうだった?」と聞くと、「しゃべっちゃった」とか「動いちゃった」と答えて、「もう一回やる!」と言ってくれました。
5歳のお子さんが、自分の状態を観察できていることがとても素晴らしいことだと思います。
放課後等デイサービスでは、1時間半のプログラムの最後の5分間で呼吸法を行っています。
呼吸法を行う際には、
- 照明を消して、マットに仰向けに横になり、背中を真っ直ぐに
- 5分間、目を閉じて、深くゆっくりした呼吸を繰り返す
- 難しかったら、ただ横になっているだけで良い
- 約束は、マットからはみ出さないことと、声や音を出さないこと
を伝えて、大人は呼吸法に集中します。
始めの頃は、目を閉じられなかったり、マットを傘のように被って立ち歩いたり、大きなため息をついたりと、なかなか馴染めなかったお子さんがほとんどでした。
4か月が過ぎた現在、多くのお子さんがマットから移動せず、静かに5分間を過ごせています。
寝息が聞こえることもあります(笑)
脳への刺激を減らし、心を落ち着かせるこの5分間が、自分を整えてくれる時間となってくれたら良いなと思っています。
この経験が大人になった時に、自分に意識を向け、客観的に自分を見つめることの大切さを、心と体で落とし込んでもらえたら、とても嬉しいです。
幸せの国 ブータンでも行われている瞑想
個人的な話ですが、2017年の夏にブータンへ旅行しました。 ブータンは、幸せの国と呼ばれている、山岳地域の小さな国です。
自然との調和共生のため、トンネルを掘ることは法律で禁じられています。
車道に牛や猿などの動物が入りこんできたら、動物優先で、車は停車しクラクションは鳴らさず、ひたすら通り過ぎるのを待ちます。
外国からの観光客が、車やバスで移動中でも、山崩れで道が塞がっていたら、ブルドーザーを呼んで土砂をどかしてもらうまで、ただ待ちます。
不必要に戦わない、仕方のないことと受け止める力が自然と備わっているなと感じました。
そのようなブータンでは、公教育が始まる5歳から、毎朝始業前に瞑想をする時間が必修だと聞きました。(2017年当時)
ブータンで大切にされている価値観は、自分と同じように自然や他の人も大切にする心と、周囲の人々とまるで家族のように関わり助け合っている環境から培われていて、それがブータン人の幸福度の高い理由なのかもしれないと思いました。
ブータンに生きる人々がそのような幸福感を共通して持っているのは、子どもの頃から、瞑想=自分を内観することを学んでいることと無関係とは思えませんでした。
人は、強い意思を持つことと同時に、さまざまな執着から自由でいることも、同じように大切だと感じています。
自分の半生を振り返り、親と子の関係性も、時に執着に結び付くことがありますが、呼吸法を学び、干渉や依存から距離を置き、お互いを尊重する関係性でいられたらと思います。
まずは自分を整える術を持つ大人になってくれたらと願いながら、今日も放デイの最後の5分間、呼吸法をして終わります。
にこにこの療育では、「ちょっと頑張ればできる」「人の助けを借りてできる」「人と関わって楽しめる」ように、一人ひとりに合わせてプログラムを考え、環境を設定し、声かけなどを調整しながら関わっています。
療育の場所をお探しの方がいらっしゃいましたら、ご紹介いただけると嬉しいです。